沢登り大好き証券マンのレポート

■倉沢谷本谷

奥多摩の沢で2年前に遡行した時のものです。水量豊富な沢で、まさに夏向きです。写真は前半にある2段4mほどの滝ですが、これがなかなか手強い滝です。右岸(沢登りでの右岸は上流側から見ての右側です)は比較的楽に滝下まで泳いで取り付けますが、その後岩がつるつるで手がかり・足がかりがなく自分には登れませんでした。左岸は水流が強く滝下まで取り付くのに一苦労でした。水中の手がかりを頼りに這い上がり、慎重に1段目を登ります。2段目が比較的容易に登れますが、真夏でも体が冷え切る、まさに夏しかチャレンジできない滝でした。

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■好決算とコロナ、しかし・・・

自動車7社、最終黒字確保とか、オリンパスがコロナ前の19年4∼6月期比でも増収など、好決算が続いています。一方、コロナ感染者が東京で5,000人超(5日)、全国でも初めて15,000人を超え、いずれも二日連続で過去最高を更新しました。私見ですが、コロナ感染の増加が株式相場のかなり重い上蓋になっているように感じています。

しかし違う見方もあるようで、ゴールドマン・サックスは7月30日のレポートで、世界の資産配分の一環として今後3か月の日本株について「オーバーウェイト(強気)」としました。新型コロナウイルスの影響を受けやすいサービス業の力強い回復により、日本の第4四半期の成長率は市場予想を超える8.4%になるとしています。またブラックロックも7月初旬に出した年央のレポートで日本株の投資判断を「アンダーウェイト(弱気)」から「中立」に1段階引き上げました。

今回は以下の5銘柄に注目しました。なお株価、PER、PBRは8月6日引け値でクイックから、チャートはブルームバーグからの出典です。

 

■5201 AGC 東証1部

株価 4,920円    PER 9.8    PBR 0.88

三菱系でディスプレーや建築、自動車でガラスの世界級の企業です。8月2日、21年12月期第2四半期の連結決算を発表、同時に連結業績予想及び配当予想並びに余剰金の配当に関するお知らせも発表しました。それによりますと、第2四半期の売上高は前年同期比1568億円増の8,113億円、営業利益は同746億円増の952億円となりました。建築用ガラスの出荷増及び販売価格が想定以上に上昇、半導体関連製品の出荷も増加しました。

21年12月期通期見通しは売上高が同2577億円増の1兆6,700億円、営業利益は同1,042億円増の1,800億円と上方修正、配当は前回予想で中間・期末配当予想の70円を80円とし、期末に特別配当50円を加え、年間配当は1株当たり210円とします。当社は14年12月期まで営業減益が続き、本格的に事業改革に乗り出し、化学品事業やライフサイエンス事業にも注力しています。当社の平井社長は2日のオンライン決算会見で「最高益の2010年から事業構成は大きく変わり、複数の事業から利益が上げられる構造になった」としています。

 

■6326  クボタ 東証1部

株価 2,217.5円    PER 14.6    PBR 1.66

農業機械、鋳鉄管とも国内トップの企業です。8月3日、21年12月期の連結決算と21年12月期通期見通しの上方修正を発表しました。それによりますと、国内売上高は水・環境部門などが減少しましたが、機械部門が農業機械などを中心に増加、前年同期比124億円増の3,025億円、海外売上高は農業機械や建設機械が大きく伸長し、同2049億円増の7,989億円となりました。営業利益は同659億円増の1,475億円となりました。

21年12月期通期見通しでは、国内に加えアジア地域でのトラクターなど農機の売上が大きく伸び、売上高は前期比16%増の2兆1,500億円、営業利益は同48%増の2,600億円、連結純利益は同42%増の1,830億円になる見通しだとしました。北米の見通しについて当社北尾社長は「需要に対して生産が追いついていない」と話しており、生産正常化による収益上振れの可能性もありそうです。未定としていた中間配当は前年同期より4円増配し21円としました。

 

■6963  ローム 東証1部

株価 10,340円    PER 29.8    PBR 1.31

カスタムLSIが首位で、ダイオードなど半導体素子や抵抗器も有力な企業です。OKI半導体事業を買収しました。7月30日に22年3月期第1四半期決算短信を発表しました。それによりますと売上高は自動車関連市場及び民生機器関連市場を中心に増加し、前年同期比37.4%増の1,112億5,400万円、営業利益は同152.4%増の152億6,500万円となりました。経常利益は為替差益が発生したことにより同205.1%増の163億4,900万円、四半期純利益はパソコンや自動車向けが好調で、同60.0%増の116億600万円となりました。

当社は中国自動車大手の吉利汽車と省エネ性能が高い次世代半導体分野で技術提携したことを明らかにしました。当社はSiC(炭化ケイ素)半導体で2割弱の世界シェアを持っています。SiCウエハー製造大手の独サイクリスタルを傘下に持ち、ウエハーから電子部品まで垂直統合型の開発ができる点が強み。当社は次世代半導体材料とされるSiCを使って、電力を制御し効率化するパワー半導体を手掛ける主要企業の一社です。SiC半導体は従来のシリコン製よりも消費電力を減らせる特性があります。吉利汽車は現在開発中の電気自動車の基幹システムにローム製の次世代半導体を採用するほか、今後は同分野での共同開発も進める計画です。

 

■7453 良品計画 東証1部

株価 2,171円    PER 16.4   PBR 2.74

西友の事業部が独立し、「無印良品」ブランドで衣料、雑貨、食品などの卸・小売りをしている企業です。当社は今期より決算期を2月末日から8月31日に変更しました。7月2日に発表された21年8月期第3四半期決算短信によりますと、国内事業では店舗数が494で巣ごもり需要を追い風に価格改定により客数が増え下支えしましたが、緊急事態宣言で最大70店舗が臨時休業し影響を受けています。東アジア事業では店舗数は430でオンライン販売は好調でしたが感染拡大の影響があります。欧米事業は店舗数は59で厳しい状況がつづいていましたが、客数・売上ともに回復の兆しが見えてきました。西南アジア・オセアニアの店舗数は77で感染拡大の影響が広がりを見せています。

当社は21年9月からの事業年度を「第二創業」と位置付けています。中期経営計画では年間平均出店ペースを国内で100店、中国で50店、その他アジア地区では30店に乗せることや、売上20億円超の食品スーパー隣接型の出店、600坪程度の売り場などが計画されています。また9月1日付で堂前専務(52)が次期社長に就任する計画です。同氏はユニクロを展開するファーストリテイリング出身で、柳井会長兼社長の後継候補とも目されていました。堂前氏はファーストリテイリングで成長ドライバーとなる海外展開の仕事に就き飛躍の礎を作った人物です。堂前氏の手腕に期待が集まりそうです。

 

■7716 ナカニシ JQ

株価 2,273円    PER 25.0    PBR 2.50

歯科製品で世界首位級の企業で、欧州、北米で成長しています。5月7日、21年12月期第1四半期決算短信とともに21年12月期第2四半期及び通期業績予想と配当予想の修正を発表しました。それによりますと20年後半よりロックダウンや外出自粛が順次解除され、歯科医院が世界の多くの地域で営業を再開し、不足分を補う一時的な需要が発生、また政府の感染防止対策給付金が歯科医院に交付されたため、歯科用ハンドピースなどを補充する一時的な需要が発生しました。そのため通期業績予想をいずれも前回予想と比較して、売上7%増の375億円、営業利益16.9%増の99億円、純利益21.8%増の78億円としました。また特別配当を中間・期末ともに2円配当し、通期で普通配当と合計で34円配当と予想しました。

高齢化も背景に世界市場で年率15~20%ペースで拡大しているインプラント治療で使用する、顎の骨に穴をあける専用ドリルを小型・軽量化し歯科医の負担を軽減、周辺機器と無線接続し操作性を高めました。当社はインプラント分野で欧州メーカーと激しく競合しており、新製品投入で早期にシェアを50~60%に引き上げたいとしています。また歯を削る器具から吹き出す空気は患者の飛沫を拡散させるため、同社は独自の特許技術で吹き出しを止める器具を開発。これを機に英国ではこれまで製品の納入実績のなかった歯科系の医科大学の4分の3を新たに開拓しました。

 

どのような考え方で銘柄を選択しているのか、興味をお持ちの方にはお伝えいたします。また上記5銘柄のご質問以外にも、お持ちになっている銘柄のご相談などございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。

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※ 投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任で行っていただくようお願いいたします。


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