沢登り大好き証券マンのレポート

■マスキ嵐沢

4月9日、西丹沢のマスキ嵐沢を遡行しました。天気も良く、新松田からのバス乗り場は増発が出るほどの長蛇の列です。大滝橋で降りたのは我々だけで30分ほど歩き入渓しました。歩き始めは体が重く(もともと重いですが)感じられ、いつもは徐々に軽快になってくるのですが、今日はいつまでたっても重い感じが続きました。久しぶりにハーネスにハンマーやハーケンなどを付け重く感じたのかもしれません。筋肉痛になりました。写真は3段15mの滝と見事なミツマタです。

■20年ぶりの円安!

13日の外国為替市場で円相場は対ドルで一時1$=126円台前半まで下落、約20年ぶりの円安となりました。きっかけは同日午後に信託大会で日銀の黒田総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言したことです。マネーは資源国や金利の高い国への通貨へ動き、資源を持たず低金利を続ける円は格好の売り対象になっているようです。「心理的な節目となる130円までは真空地帯で、試しに行くのは時間の問題だ」との見方もあります。

円安は輸出企業の採算の改善を通じて日本株を押し上げるはずですが、最近はこのセオリーが効きづらくなっているようです。円安による株価の押上効果が薄れている直接の原因は製造業の海外生産へのシフトです。しかし効果が薄れているとはいえ、円安が日本の企業業績を押し上げる構図そのものは変わっていません。

ここからは私見ですが、これから本格化する3月決算企業の決算では、円安の恩恵を受けやすい自動車や電機などの好業績が期待できるのではないでしょうか。ただ流動的なウクライナ情勢が相変わらず世界経済に影を落としています。戦争がさらに過激になりフィンランドなどに飛び火するようなことがあれば、株価の下押し圧力が強まりかねません。併せて資源価格も高騰するでしょうから、資源株には注意が必要と考えています。今回は以下の銘柄に注目してみました。チャートは3年週足です。なお株価、PER、PBRは4月15日引け値でクイックから、チャートはブルームバーグからの出典です。

 

■ 4183 三井化学 東証プライム

株価 2,921円    PER 5.4    PBR 0.81

三井系の総合化学メーカーで、汎用の石化中心からヘルスケア、自動車向け等の機能材料にシフトしています。2月3日に発表された22年3月期第3四半期決算短信によりますと、営業利益は前年同四半期比841億円増(162.0%増)の1,360億円、純利益は同671億円増(203.2%増)の1,001億円となりました。セグメント別では売上収益全体に占める割合で基盤素材が49%、モビリティ25%、ヘルスケア11%となっています。

人工知能や量子技術を駆使し新素材を開発する取り組みが実用段階に入り、同社と東北大学発スタートアップ、シグマアイ(東京・港)は最適な組み合わせを効率よく探索できる量子技術の一種「量子アニーリング技術」をMI(マテリアルズ・インフォマティクス;情報技術を駆使して材料開発を効率化する技術)に応用します。また同社は4月1日出荷分から不織布を30%以上値上げするなど、原料の上昇分を製品価格に転嫁します。また4月8日に31年3月期までに温暖化ガス排出量削減に向けて総額1,400億円を投じると明らかにしました。同時にロシア産石炭への言及もあり、橋本社長は「政府方針に従って調達先の切り替えを検討しており、一部実行している」と語りました。

 

■ 4543 テルモ 東証プライム

株価 3,835円    PER 31.5    PBR 3.09

カテーテルなど心臓血管分野に強みを持つ医療機器大手の企業です。医薬品類も扱い、米国、中国などで生産を拡大しています。新型コロナウイルス下で延期されていた病院での治療が本格的に再開され、カテーテルや採血装置などの主力製品の販売が回復しています。2月9日、22年3月期通期連結業績予想の修正を発表しました。それによりますと、22年3月期第3四半期の売上収益は四半期として過去最高でした。今年度累計において想定為替レートを見直した内容などを反映し、売上収益を120億円上方修正しました。

同社は21年12月16日、23年3月期から27年3月期までの中期経営計画を発表、経営管理目標として投下資本利益率(ROIC)を導入し、足元の約8%から27年3月期に10%以上に高める目標を掲げました。営業利益率は20%以上に高めます。同社は三菱商事グループの日本メディカルネクストと、日本メディカルネクストが輸入販売しているカテーテル治療支援ロボット「コーパスGRX(独シーメンスヘルスケアのロボットで、手術台から離れた場所で医師がカテーテルを操作します。治療の精度を高めるほか、X線撮影に伴う医師の被曝を減らせる効果があります)」の消耗品を受託販売します。

 

 

■ 4739 伊藤忠テクノソリューションズ 東証プライム

株価 3,060円    PER 21.4    PBR 2.61

海外IT機器の販売を出発点にソフト、サービスに注力している伊藤忠系の企業です。通信事業者向けが主力となっています。2月1日に発表した22年3月期第3四半期決算短信によりますと累計の営業利益は348億5,500万円(前年同期比51.9%増)、純利益は246億6,000万円(同55.4%増)となっています。22年3月期は製造や通信業向けに加えて海外事業が好調で増収の計画です。自社保有の全データセンターをシンガポール企業に売却した利益も寄与し増益の予定です。

23年3月期も5G需要の拡大に伴い通信業向け新規受注の獲得で増収増益の見込みです。メタバースでは米エヌビディアの仮想空間構築プラットフォームの販売を開始します。製造業の顧客のDX推進をシステム構築とハードの調達で支援していきます。同社は3月31日、韓国IT企業のメガゾーンの日本法人に追加出資すると発表しました。出資比率を19%から49%に高めます。メガゾーンと連携して、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などを活用したクラウド関連事業を強化します。今後日本法人と協業を進め、2025年までに年間売上高650億円を目指します。

 

■ 7731 ニコン 東証プライム

株価 1,425円    PER 13.4    PBR 0.89

一眼レフカメラでキャノンと双璧の企業です。半導体・液晶製造用露光装置でも世界的な企業で、医療事業にも注力しています。同社は2月3日、22年3月期連結業績予想の上方修正を発表しました。それによりますとカメラ・レンズ需給のひっ迫やFDP(フラットパネルディスプレイ)・半導体露光装置ともに装置保守サービル関連事業が堅調なことなどにより営業利益が従来予想から38.2%増の470億円、純利益は同34.5%増の390億円としました。4月7日には22~25年度の中期経営計画を発表し25年度数値目標として売上収益7,000億円、営業利益率10%以上、ROE8%以上としました。

事業戦略としてデジタルカメラでは高付加価値製品・ミラーレスカメラに経営資源を集中、FPD(フラットパネルディスプレイ)では次世代パネルに対応する技術開発を推進、半導体では顧客計画への的確な対応などを挙げています。また同日、最大300億円、発行済み株式総数(自己株式を除く)の9.8%に当たる3,600万株を上限とする自社株買いを実施すると発表しました。取得期間は5月13日~23年3月24日で、すでに保有する500万株と併せて、今回の自社株買いで取得したすべての自己株式を23年3月末に消却します。

 

 

当社はネット証券ではありません。担当者がきめ細かいサービスをしております。ご質問等には丁寧にお答えしていますので、お気軽に下記までお問い合わせください。

 

03-6778-8725(直通)  090-2649-0396(携帯) k.sakakibara@dai-ichi-premiere-sec.co.jp

※ 投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任で行っていただくようお願いいたします。

 


日本ブログ村に参加しています。
バナーをクリックし応援よろしくお願いいたします。
にほんブログ村 株ブログ 株式投資情報へ
にほんブログ村 先物取引ブログ 商品先物へ