沢登り大好き証券マンのレポート

今号で今年の最終号となります。1年間ご愛読ありがとうございました。

新年は1月16日にお届けする予定です。

■葛葉川右俣

12月3日、丹沢葛葉川本谷の富士型の滝を超えた840m付近の二俣を右俣へ入りました。右俣は初めての遡行です。すぐに18mのこの沢最大の滝があります。とても登れそうもないので右のザレを高巻きしましたが、上がり過ぎてしまいしかも足元は崩れやすくヒヤヒヤしながらトラバース、そこから懸垂下降2回で隣の沢に降り、さらにそこを乗越して本流へ戻りました。久々に緊張した高巻きでした。本流は大きな岩がゴロゴロするガレゴーロで、時たま出てくる3~5m程度の滝も、遡行者がいないせいか、苔で滑りやすくしかも岩が脆く緊張を強いられます。1000mを超えた辺りで左斜面上にトラロープを発見、それに沿って上がってみましたがロープはすぐになくなりました。そこからは木や根っ子をつかんで登りましたが、それらも折れたり切れたり不安定で、しかもトゲのある植物が多くほうほうの体で二の塔付近の登山道に詰め上がりました。ルートミスも多く緊張した遡行でしたが、久しぶりに沢登りらしい沢登りでした。写真は途中の3m程度の大岩と詰め上げた二の塔からの富士山です。

■CPI・FOMC

13日、米11月の消費者物価指数(CPI)の発表がありました。前年同月比で7.1%上昇、伸びは5か月連続で鈍化しました。同日バイデン米大統領は「なすべきことは残っている」としながらも「正しい方向に向かっている」と述べ、来年末までの正常化に期待を示しました。翌14日、米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅をこれまでの0.75%から0.5%に縮小、しかし政策金利見通しは2023年末の予想が9月時点の4.6%から5.1%に引き上げられました。市場の想定する来年の政策金利の到達点(4.9%前後)を上回りました。これらを受けNY市場では一段の利上げを警戒した売りが出たようです。パウエル議長は記者会見でCPIの鈍化について「インフレの持続的低下を確認するにはかなりの証拠が必要」と慎重姿勢を崩しませんでした。景気後退の可能性については「見込んでいない。景気の幻想、労働市場の緩み、インフレの低下を予想する」とし、経済のソフトランディングは可能とみているようです。

ここからは私見ですが、日本株の置かれた環境は海外とはかなり違うように感じています。日本のインフレ率も10月のCPI は前年同月比3.6%上昇(総務省;11/18発表)と欧米と比べ低位ですし、上場企業は円安の支えもあり4~9月期決算は純利益合計が前年同期比5%増となり、4~9月期としては2年連続で最高でした。また海外投資家も日本株に回帰しつつあり、11月は1兆2873億円を買い越し、月間の買い越し額としては2020年11月以来の大きさとなりました。これらのことから日本株は米国株との連動は薄れ、独自の動きをしてくる可能性があるのではと考えています。そこで今回は中台や米中の地政学的リスクから半導体関連株と、ウクライナ危機で注目のLNG関連から海運株に注目してみました。

 

■6857 アドバンテスト 東証プライム

株価 9,530円   PER 13.5   PBR 5.13

非メモリー用中心で、DRAM用では首位の半導体検査装置の世界大手企業です。半導体市場は足元で需給が緩み、米インテルなどが投資抑制を明らかにしています。業界団体の世界半導体市場統計(WSTS)によりますと、23年の売上高は22年比4%減の5,565億ドル(約76兆円)と4年ぶりにマイナスの見込みですが、同社吉田社長はむしろ次の成長に向けた投資の好機と位置付け「次に市況が上がってきたときに対応できるよう供給や生産体制を強靭化する」としています。その中でも最も得意とするHPC(高性能コンピューティング)というハイエンドの半導体デバイス向け試験装置への投資に注力するとしています。

ハイエンドの試験は難しい分、利益率からみてメリットがあるとしています。同社にはデータサーバー向けなどの計算能力が入ったAI(人工知能)チップで独自性を出すため、GAFAからも自らが設計したチップの試験装置の注文が直接来ています。同社は試験段階から入り込めているため、チップを受託生産する企業が同社の試験装置を使っていれば、受注が増えたときに納入できるメリットもあります。半導体市況への耐性を強めるため、試験装置そのものではなく、試験に使う消耗品の分野にも、20年と21年に米国の消耗品会社を買収し参入しました。半導体産業自体は将来も上向き基調で、GDP(国内総生産)より成長率は高い、それについていけば高成長を維持できるとしています。

 

 

■ 9104商船三井 東証プライム

株価 3,420円   PER 1.5   PBR 0.66

鉄鉱石船、タンカー、LNG船中心に不定期船に強い海運大手の企業です。同社の23年3月期の連結純利益は前期比11%増の7,900億円になる見通しで、2期連続で最高益を更新する見込みです。同社は液化天然ガス(LNG)運搬の世界最大の船隊規模を持っており、ロシアからのガス供給が途絶えた欧州でLNG輸入が急増し輸送需要が拡大、世界で用船料は平年の2~3倍という記録的な高値で推移しています。1~10月の欧州のLNG輸入量は前年同期比6割増えています。その結果現時点での貯蔵率は9割前後と平年比で潤沢になり、域内のLNG貯蔵設備が不足気味となり洋上に滞留する船舶が急増、これが船不足に拍車をかけ一段の用船料高騰を招いているようです。

同社も新造船の準備を進めてきましたが、船が完成し運航が増えるのは2024年以降とみられ、船不足で用船料が上昇しやすい構造は数年単位で残る可能性があります。海運事業が好調なうちに中長期で安定的な収益が見込める不動産への投資を拡大,2023年から5年間で不動産事業に4,000億円を投じます。4月に同社の完全子会社となったダイビルが計画する4,000億円の不動産投資のうち、3分の1に当たる1,300億円程度は米国をはじめとした海外案件に振り向けます。残る3分の2の2,700億円程度については国内投資に充て、都心のオフィスビル価格が高騰していることから持ち分の一部取得も積極化していきます。

 

当社はネット証券ではありません。担当者がきめ細かいサービスをしております。ご質問等には丁寧にお答えしていますので、お気軽に下記までお問い合わせください。

 

03-6778-8725(直通)  090-2649-0396(携帯) k.sakakibara@dai-ichi-premiere-sec.co.jp

投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任で行っていただくようお願いいたします。

 


日本ブログ村に参加しています。
バナーをクリックし応援よろしくお願いいたします。
にほんブログ村 株ブログ 株式投資情報へ
にほんブログ村 先物取引ブログ 商品先物へ